HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
「大丈夫だったか?ごめんな怖い思いさせて」


あきちゃんがギュッとあたしを抱きしめた、未だに震えてるあたしを優しく包み込んだ


怖いってもんじゃなかった、トラックが突っ込んできたら、今頃あたし達は...


考えたくもないこんなこと


「あきちゃ...あきちゃぁん...うぅ...ッヒク」

「ごめん」


ギュ―っとしがみついてあたしは離さなかった


「あいつら、千紗まで狙いやがった」


泣いてるあたしを抱きしめながら、あきちゃんは一人ブツブツ言っていた


「千紗、俺が絶対遊の敵を打ってやるからな」


敵を討つ?


「千紗、抗争だ。ぜってぇゆるさねぇ」


抗争...抗争したらどうなるの?


もし抗争が始まってしまえば、あきちゃんが死ぬことだってあるはず


「やっやだ!抗争しないで!」

「大丈夫だ、絶対俺は死なない。千紗を置いて死んだりしない」

「死ぬなんて言わないで!お願いやめよ?」


遊の姿を見たから、あたしの中では不安がたくさんだった


もしあきちゃんがあぁなってまったら、もしあきちゃんが死んでしまったら?


あたしは立ち直られる?


なおちゃんなら、手段を選ばないって聞いた


裕美が教えてくれた


そんなの聞いたら、抗争なんてしてほしくない


「千紗、お前俺を誰だと思ってんだよ?」

「え...吉野彬人?」

「Blue Birdのナンバーワンだぜ?」


自信満々で微笑んだあきちゃんのドヤ顔をみて、少し笑ってしまった


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