HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
あたるちゃんはなにも聞いていなかったようで...ほぼサプライズになっていた


「で?何?」

「今日ね、この教室に転校生が来るんだって!」


転校生?こんな時期に転校生?


「女の子かな?男の子かな?」


裕美がきらきらした目でドアを見つめていた


「女の子でしょ、どう見たって男子が騒いでるし」


波留が裕美にとどめを刺して自分の席へ戻って行った


「も~なんなのよ、自分は男いるからって!さて、あたしも戻るかな」


10月に席替えをして、見事にみんなバラバラになった


あたしの席は真ん中の真ん中になった


あぁ~久しぶりに今日あきちゃん着てるのに、席離れ離れだよぉ


しかも最近、あきちゃんの隣になった美奈子ちゃんとか言う子は見るからにあきちゃんに気がありそうで...


あたしは誰にもきずかれないため息をついた


「おーいお前ら席付け」


先生が入ってきて、みんなそれぞれの席に着いた


あれ?そう言えばあたしの隣の席が空いてる


でも開いてるってことは、あたしの隣は男ってこと!?


もしかして転校生って男の子!?


「転校生を紹介するぞ、入ってくれ」


先生の合図でドアから身長の大きな男の子がはいってきた


「水無月 昂(みなづき こう)、よろしく」


あらあら、クールなのかな?


「水無月は、羽柴の隣な」


やっぱりあたしの隣なのね?!


「よろしく」

「よろしく~」



< 191 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop