HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
連れてこられた場所は、保健室だった


保健の先生が出張でいなくて、保健室にはあたしとあきちゃんだけだった


あたしはベットに下ろされてその上にあきちゃんが乗ってきた


なっなになにこの展開!


「千紗、不安だった?」


あきちゃんが心配そうな顔をしてあたしを見てきた


「不安だった!だってあきちゃんずっと美奈子ちゃんといるんだもん」


あれ?なんでだろう、涙出てきた


「バーカ!お前が不安がることじゃねぇよ、千紗は俺がどんだけお前を好きかしらねぇんだよ」


あっ、まただ


裕美も前にそんなこと言ってたような気がする


知らないのかな?本当にあたし知らないのかな


「じゃー、もっと愛情表現してよ」

「ふっ、俺に愛情表現させる気か?」


あきちゃんた面白そうに笑った


何であたしはこの人に振り回されるんだろう


どうしてあたしは、こんな愛情表現もあまりしてくれなくて、みんなから怖がられてるこの人を好きで好き翔がないんだろう


男なんてたっくさんいるのに、なのになんでこの人じゃなきゃだめなんだろう


何で...こんなに愛おしく思うんだろう


そう思ったらあたしの体は勝手に動いていた


上にかぶさっている、あきちゃんに唇を合わせていた


首に手を巻き付けて、あたしは必死であきちゃんにしがみついていた


あきちゃんもあたしの腰に手を当てて、あたしを支えてくれた


「大好き...大好きだよ」


あたしは必死にあきちゃんに思ったことを口にしていた



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