HAZE GRASS 〜かすみ草〜［完］

えっ！？なに？何で叫び声が聞こえるの？



「わぁぁぁ！！人が刺されたぁぁぁぁぁ！」




叫び声はどんどん大きくなって、叫ぶ人の量が増えて行く



そして、まえからは怯えたような眼をして走ってくる人がいっぱいいあたし達に向かってくる



「えっ！何何何何！？」



向かってくる人の顔を見てあたしはパニックになりそうだった



「落ち着け、大丈夫だ」



何でかなぁ、こんな時でもあきちゃんの言葉をきくと安心できる



彬ちゃんの言葉をきくとキュンってなってしまう



「早く逃げろ！通り魔の犯人はすぐそばまで来てるぞ！」



あたし達にそれだけ言って、近くのファミレスにおじさんははいって行った



「通り魔だって、怖い！」



がくがく震えるあたしに足は、思うように動いてくれなくて、あたしは焦り始めた



「あきちゃん、足が動かないよぉ」

「千紗、落ち着け」


彬ちゃんに手を握られて、正気を取り戻したものの、あたしの足はがくがく震えるばかりだった



彬ちゃんはいったんバイクから降りてあたしをバイクの後ろに乗せた



「これで安心だろ？俺が守ってやるからな」



最後に頭を撫でてバイクにまたがった