HAZE GRASS 〜かすみ草〜［完］

次の日、あたしは学校に着くと雄二さんを見つけた


「千紗おは.....」


あたしに挨拶してきた裕美を無視して雄二さんのところに一直線で話しかけた


「雄二さん!」
「どうした?」
「彬人さんどこですか」


ムスッとした顔で雄二さんに尋ねた


「もしかして昨日の....」
「やっぱり彬人さんと雄二さんの仕業だったんですね?」


あたしは雄二さんに1歩ずつ近づいていった


そのたんびに雄二さんは後ずさりする


「教えてください!」
「分かった!分かったから落ち着いて」


我に返ったあたしは、雄二さんとこんなに近いなんて初めて知った


「キャッ!すみません」


急いではなれると、雄二さんはふっと笑ってあたしの腕をひいた


「ちょっと雄二!千紗をどこに連れていく気?!」


後ろでは裕美の怒鳴り声が聞こえた


そんなのお構いなしに雄二さんはあたしの手を引く


裕美に返事しようと振り返るけど彼の力でまた前に向かされる


そのまま廊下を歩いて行くと分からないところに連れてこられた


「あのっここどこですか?」


もっもしかして、あたしがさっきあんなに近づいたから雄二さん怒るのかも!


やばいやばい、殴られる


あたしは手を引っ込めて、雄二さんから体を離した


「おっ?」


雄二さんは驚いたように振り返った