HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
未だに甲高く笑ってる先輩


そんな笑わないで、やめて


ポン、ポン


不意に誰かに頭を撫でられた


そのては少し彬ちゃんの手に似ていた


でも、全然違った


誰?と思って顔をあげてみると優しく笑うキャプテン


「大丈夫か?こんなにさせてるとわな」

「しょうがないです、あたしが悪いんです」


すっと立ち上がって、残りのボールを取りに行った


しょうがない、あたしが遅刻したんだから


追われてたからって、遅刻にならなくない


あたしだけの問題だから


仕方ないのに、涙が止まらない


悔しい、先輩だからって何で言い返せないんだろう


あたしは、やっぱり弱虫だ


「千紗!どうし...」


裕美に見られちゃった


ははっ、最悪


「でしたの?」

「千紗が心配になったから、ごめんねさっきは」


裕美は悪くない

< 98 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop