風華の空

ため息を吐いて冬夜が自分の教室に戻ろうと廊下を歩いていると、遠くから人の走ってくる音が聞こえた。


「見つけたぞ!悠妃冬夜!」

大声で名前を呼ばれて振り返ると、こちらに向かって走ってくる佐藤が見えた。

「…はぁ」

冬夜は額を抑えて深々とため息をつくと周囲に人がいないことを確認して、窓から飛び降りた。


「あ!待て!」

後ろから聞こえた声は無視した冬夜はうまく地面に着地すると、校舎から見えないように木陰に隠れた。

そのまま体育館の裏まで来た冬夜は、誰も居ないことをいいことに髪をほどいて地面に寝転がった。

そして、屋良に午後の授業をサボるとメールすると携帯をしまう。

しかし、もう一度取り出すと電源を切って芝生の上に携帯を放り出し、冬夜はすぐに眠ってしまった。






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