ランデヴー
「少し、痩せた?」


「……わかんない、けどそうかも」


無理矢理に笑顔を作って見せると、陽介は優しい眼差しをふっと曇らせた。


私の手を愛おしそうに握っていた彼の手が、すっと頬へと移動する。


尚も流れ落ちる涙を手の甲で拭い、陽介は再び口付けた。


チュッと音を立てて離れるその唇が名残惜しくて、追いかけたいと思いながらも見送る。



「ちゃんと食べて。ゆかりがそんなんじゃ、心配で目が離せない」


「うん……ごめん」


今度は私は謝る番だった。



いつから私は陽介なしでは生きていけなくなったのだろう。


こんなにも弱くて脆かったっけ……と昔の自分を思い出そうとするが、上手く思い出すことができない。



「ゆかり……もうあんなことは言わない。だけど……」


言い淀む陽介の様子に、心臓がドクンと音を立てる。


嫌な予感が胸の奥から湧き上がり、私は不安な気持ちで陽介の目を見つめながら微かに首を振った。
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