ランデヴー
「じゃぁ坂下、よろしく」


「はい」


部長が去った後、まずはフロアの説明から始めた。



「えっと……会社来たらまずここで社員証かざして、タイムカード切ってね。自販機はここで、一応飲み放題だから。喫煙所は……あ、タバコは吸う？」


「いえ、吸わないです」


「そうなんだ。まぁ一応場所だけ案内するね」



説明しながら倉橋君を連れて歩くと、フロアの人達が一斉に興味津津で無遠慮な視線を向けてきた。


先が思いやられるな……と溜息が出る。



午前はとりあえず社内規定やマニュアルに目を通してもらい、私は私の仕事をした。


ランチタイムになると彼は18Fにあるカフェテリアへ行くと言うので、私は1人気楽に席でお弁当を食べることができた。



特に節約を気にしたことはないけど、私は料理が好きだった。


だからこの部署に来てからは、ほぼ毎朝お弁当を作り、持ってきている。


1人で過ごすこの時間は、決して嫌いではない。


むしろ自由にインターネットができて、快適だったりする。
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