ランデヴー
彼は翌日から、私を食事に誘うようになった。


ランチもカフェテリアには行かず、何故か隣の席で食べている。



私はお弁当なんて作る気にならず、コンビニでパンやおにぎりを買っていたから、倉橋君も私にくっついて来てそうしていた。


社内からの好奇の目はたまらなく嫌だったが、倉橋君にそうしてもらうことは事実有り難かった。



1人だと、何もする気が起きない。


放置されると、恐らく食事もしないだろう。


ただ、心の中で渦巻く嫉妬に負けそうになるだけだ。



だから、私は倉橋君の誘いを断らなかった。


倉橋君と一緒にいる間だけ……少しの時間だけは、陽介のことを忘れられる。



いや、完全に忘れることはできないが、思考を拡散することはできる。


私にはその時間が必要だったのだ。
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