ランデヴー
休みの日だというのに、私の心の中はいつもに増して陽介一色になっていた。


普段何をしていたか思い出せない程に、今の私の心は陽介の存在に囚われている。



現に今、家にいても何をするという訳ではない。


ただ、ずーっと意味のわからないテレビをつけっぱなしにして、気を紛らわせる為に掃除や洗濯を繰り返すだけ。



でも完全に集中なんてできなくて、いつの間にか手を止めてぼーっとしている。


そしてまた陽介のことを考えている自分に気付き、溜息を吐くのだ。



そんな無限ループに陥っていることに嫌気がさした私は、いい加減気持ちを切り替えたくて冷たいお茶でも飲むことにした。


ふらりと立ち上がり、キッチンへ向かおうとしたちょうどその時。



ピンポン――と。



部屋中に来客を告げる音が響いた。


休みの日に訪ねてくる人に心当たりなんてない。


訝しく思いながら、私はとりあえずインターホンのモニターを覗いた。
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