ランデヴー
<また、明日>
「香川さん」
そう遠慮がちに声をかけると、陽介は「はい」と返事をして私の方を振り返った。
その顔を一瞬見るだけで、チクリと胸が疼く。
やっと熱が下がり、私は会社に来られるようになっていた。
土日を合わせると、何と5日ぶりの出勤ということになる。
そして例えどんなに顔を合わせたくない人でも、どんなに話をしたくない人でも、仕事である以上そんなわがままは通用しない。
それでも陽介の姿を見ると、やはり私は平常心なんかではいられない。
伏せた目を不自然に泳がせながら書類を差し出し、もごもごと口を開いた。
「あの……請求項目のチェックお願いします」
「あ、うん……。有り難う」
陽介が書類を受け取る手元を、ぼんやりと見つめる。
たったこれだけの会話なのに、ものすごい疲労感に襲われる。
私はまるで今日1日分の仕事を終えたかのような重い足取りで、踵を返した。
そう遠慮がちに声をかけると、陽介は「はい」と返事をして私の方を振り返った。
その顔を一瞬見るだけで、チクリと胸が疼く。
やっと熱が下がり、私は会社に来られるようになっていた。
土日を合わせると、何と5日ぶりの出勤ということになる。
そして例えどんなに顔を合わせたくない人でも、どんなに話をしたくない人でも、仕事である以上そんなわがままは通用しない。
それでも陽介の姿を見ると、やはり私は平常心なんかではいられない。
伏せた目を不自然に泳がせながら書類を差し出し、もごもごと口を開いた。
「あの……請求項目のチェックお願いします」
「あ、うん……。有り難う」
陽介が書類を受け取る手元を、ぼんやりと見つめる。
たったこれだけの会話なのに、ものすごい疲労感に襲われる。
私はまるで今日1日分の仕事を終えたかのような重い足取りで、踵を返した。