ランデヴー
「いやぁ、楽しくなりそうだなぁ、大地?」
「え? まぁ、そうですね」
佐原さんは新入社員の存在がそんなに嬉しいのか、隣の席の大地さんをも巻き込んで、倉橋君ネタを続ける。
当の本人である倉橋君は、部長に連れられてどこかへ行ってしまい不在だというのに。
大地さんは私と同じチームで働く柔和な男性で、この部署では『大地』と名前で呼ばれていた。
そもそも鈴木という名字の大地さんは、以前いたもう1人の鈴木さんと区別する為に名前で呼ばれ始めたらしい。
もはやその鈴木さんは既に退職してしまっているが、あだ名は定着して残ったままだ。
大地さんは良く気が利くし優しい人なので、私はいつも助けられていた。
「佐原さん、これハンコお願いします」
そろそろお暇してもらおうと、私は書類の束を佐原さんに押し付ける。
「はいはーい」
彼ははいつものようにご機嫌で書類を手にすると、席へ戻って行った。
私はそれを見届けてもう1つ息を吐き出し、再びPCに向かってパタパタとキーボードを叩き始めた。
「え? まぁ、そうですね」
佐原さんは新入社員の存在がそんなに嬉しいのか、隣の席の大地さんをも巻き込んで、倉橋君ネタを続ける。
当の本人である倉橋君は、部長に連れられてどこかへ行ってしまい不在だというのに。
大地さんは私と同じチームで働く柔和な男性で、この部署では『大地』と名前で呼ばれていた。
そもそも鈴木という名字の大地さんは、以前いたもう1人の鈴木さんと区別する為に名前で呼ばれ始めたらしい。
もはやその鈴木さんは既に退職してしまっているが、あだ名は定着して残ったままだ。
大地さんは良く気が利くし優しい人なので、私はいつも助けられていた。
「佐原さん、これハンコお願いします」
そろそろお暇してもらおうと、私は書類の束を佐原さんに押し付ける。
「はいはーい」
彼ははいつものようにご機嫌で書類を手にすると、席へ戻って行った。
私はそれを見届けてもう1つ息を吐き出し、再びPCに向かってパタパタとキーボードを叩き始めた。