花は野にあるように
普通の植木鉢よりも少し大きめの鉢は、ちょっと土がこびりついてしまって、藍色の綺麗な釉薬が汚れてしまっているけど。


だけど、それだけで。


ヒビも入っていなかったし、欠けてしまった所もなかった。


良かった。


「山元先生、この鉢の事もとっても大事にしてるんだ。」


それが僕の不注意で壊れてしまっていたら、どうやって謝っても取り返しのつかない事になるところだったよね。


旅行した時に窯元まで行って探したって言っていたから、代わりなんてないだろうし。


こんな綺麗な深い藍色の植木鉢なんて、僕には探し出せないし。
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