花は野にあるように
そう言ってリョクはさっき自分が指していた椅子に僕の腕を引いて誘導する。


「でもっ!」


見上げる僕の言葉にも、リョクは首を振るだけで。


けど僕はそこで誤魔化されてしまいたくはなかった。


「ダメだって!
行くんなら早く行かないと、先生だって帰っちゃうしっ!」


自分で言いながら、僕は自分の言葉に焦ってしまう。


そうだよ。


もう、放課後なんだし、先生だって帰っちゃうかもしれないじゃない。


その前に、先生の所へ行かなくっちゃ!


「いいから。
ちょっと落ち着いて俺の話を聞けって、な?」
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