花は野にあるように
「え、で、でもこれっ!」


止まらないんだけどって言いかけた所で、椅子は沈むのを止めた。


けど、でも。


「どうして、こんなっ!」


そう尋ねようとした僕に、リョクはニヤリと笑って言った。


「ちょっと沈むから、気を付けて座れよって言ってあっただろ?」


「え?
あ………。」


そう言えば、ついさっきそんな事を言っていたような気もする。


「ちょっと、な。
後できちんと説明するからさ、先ずは冷めないうちに牛丼を食うぞ、な?」


意気込んで、僕に宣言するリョクの迫力に押されるように僕は頷いた。
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