花は野にあるように
「んんー。
大盛はこっちだから、ん。
じゃあ、こっちがミキのだよな。」


ガサゴソとビニールの音を立てながら、リョクは器の色を見てひょい、と僕の分を手渡してくれる。


なんだか、妙に詳しいんだね。


リョクがまったく迷いもしない事に、僕はうっかり感心してしまう。


「あ、ミキ、つゆだくにしたのかよ………って、そ、か。
ミキはあんまり食べる方じゃないもんな。
これなら食べられそう?」


僕からの返事の前に自分で勝手に答えたリョクに、僕は頷いた。


「あ………うん、そう。」
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