花は野にあるように
リョクの足下に散らばってしまった白い粒を見ながら、僕は自分が注意された事柄のゆえんを知った。


「うおっ?
もったいねぇっ!
………ま、いっか。」


地面にこぼれ落ちたご飯を名残惜しそうに見つめて、リョクはちょっと悲しそうに首を振る。


「拾い食いは禁止されてるしな。
それよりあの菊だけどな?」


そこは禁止とかじゃないってツッコミたかったんだけど、僕は話の先の方が気になってスルーする。


「ヤマゲンが出したがってた品評会はすんだしさ、この花をたくさんの人達が見る機会って後は文化祭ぐらいなんだよな?」
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