花は野にあるように
カレーを飲み物だって言っている人がいたけど、今のリョクを見ていると牛丼も飲み物だって勘違いしてしまいそうな気がするよ。


あ。


だけど。


僕はちょっとお箸と器を横に置いて立ち上がって、さっき地面の上に置いたサブバックの中から水筒を取り出した。


「ん?
ミキ、どした?
うぐっ!」


案の定、僕の方を見ようとしたリョクが喉を詰まらせる。


「あ、リョク!
お茶、お茶飲んで!」


慌てて水筒をリョクに渡すと、そのまま口を付けて飲んでくれる。


良かった。


そう思いながら、僕はその場所に座り込んで続きを食べ始めた。
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