花は野にあるように
「ん。
処置した部分に花の重みはかかってないな。
………一応、切った部分の導管………って水の通る道を繋ぐようには接いだつもりだから、上手く付くとは思うんだけど、水同士の結合を一旦無理に断ち切ったわけだから、付かない可能性がない訳じゃない。
その辺は、この花の中を通る水の柔軟さにかかってるってトコだな。」


そうなんだ。


「上の部分に水が通らなきゃ、枯れちゃうものね。」


「そゆこと。」


短く答えて頷くと、リョクは今度は鉢を叩き始めた。


「んんー。
濁った感じの音もしないし、内部がひび割れてる可能性も少ないか。」
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