花は野にあるように
「落っこちた場所が良かったんだな。
コスモスの絡み合った場所だから落下の衝撃を吸収してくれたみたいだし、下の土も前にミキがしっかり耕してあったおかげでふかふかしてたしな。
器が割れてると、ヤマゲンにイヤミのひとつも言われたかも知れないけどさ、良かったな。
無事だよ。」


リョクがそう言ってくれる。


「花の方も取りあえずは様子見るしかないし、そろそろ切り上げるか。
おっと。
その前にまだ、やらなきゃいけない事があったな、と。」


呟きながら、リョクは鉢のそばに置いてあった少し太めのしっかりした長い針金を手に取った。
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