花は野にあるように
「これを、下の水抜き穴から根を傷付けないように気を付けながら斜めに差し込んで、と。」


言いながら手首を回していたリョクの持つ菊の鉢から生き物が顔を出すように針金の先がしゅるん、と顔を出す。


「んで、こいつの端を鉢の縁に掛けるように出して、と。
次もおんなじように。」


口に出して言いながら、リョクは次々と同じように針金を差し込んでいって、あっという間に4本の針金が鉢の中から長く飛び出す奇妙なオブジェみたいなものが僕の目の前に出現した。


「これ………どうするの?」
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