花は野にあるように
「んんー。
じゃ、まずはこの飛び出した針金を、鉢の回りで互いに絡むように組み合わせて鉢を固定して。」


口と一緒にだったけど、リョクの手はとっても良く働いて、まるで魔法みたいに針金を組んでいく。


見ている間に、土から生えているかのように見えていた針金達は、元から鉢の飾りとして付いていたみたいな顔をして、周りを一周して巻き付いていた。


「すごーい。
元々こんな飾りが付いていたみたいだね。」


「ん?
そっか?」


僕が思わず上げた感嘆の声に、まんざらでもなさそうに、リョクはヘヘッと笑う。
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