花は野にあるように
「で、この下から出ている部分を………っと。」


イカの足みたいに針金を垂らした鉢を持ち上げて、リョクは地面から生えちゃった形になっている椅子の上に移動させる。


「んで、椅子の隙間を通してそれぞれの足に巻き付ける、と。」


くるくると4つの足に針金が順に巻かれていって。


そうしてリョクの作業はそれで終わったみたいだった。


「どうだ?
これでもう落っこちたりしないだろ?
まあ、移動させるのはちょっとばかり面倒だけどな。」


リョクにそう訊かれて。


鈍い僕は初めてリョクの作業の意味を理解した。
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