花は野にあるように
「んんー。
んじゃ、遅くなってもなんだし、とりあえず片付けるか。」


リョクはそう言いながら牛丼の器をビニール袋の中へとまとめ始めた。


「あ、う、うん。」


ちょっとぼんやりとしていた僕も、それにつられるようにその場に置いてあった卵の殻を手に取る。


そのままビニール袋の中へと入れようとした僕の手首をリョクの手が掴んだ。


「ミキ、それ捨てるの待った。」


「………リョク?」


腕を掴まれたまま、僕はリョクを見上げる。


「それには、まだ役目があるんだ。
細かくして、肥料になってもらう。
まぁ、でも作業は明日にするけどな。」
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