花は野にあるように
そう話しながら、リョクは僕の手の中から殻をそっと取り上げる。
「ま、明日までは花壇の中に、こうやって逆さに立てておこう。
残ってる白身も無駄になるよりは土に還る方がいいだろうしな。」
そう言ってリョクが花壇の中に逆さに立てた卵の殻は、なんだか小人の家が並んでいるみたいな可愛い景色だった。
「コロボックルのおうちって感じだね。」
ふふっと笑いながら僕が言うと、リョクも嬉しそうに笑った。
「お。
ミキも好きなんだ?
俺も好きだったなあ。
みんな、本名は草木の名前なんだよな。
チビの頃親父に、それがどの木でどの花なのかよく教えてもらったよ。」
「ま、明日までは花壇の中に、こうやって逆さに立てておこう。
残ってる白身も無駄になるよりは土に還る方がいいだろうしな。」
そう言ってリョクが花壇の中に逆さに立てた卵の殻は、なんだか小人の家が並んでいるみたいな可愛い景色だった。
「コロボックルのおうちって感じだね。」
ふふっと笑いながら僕が言うと、リョクも嬉しそうに笑った。
「お。
ミキも好きなんだ?
俺も好きだったなあ。
みんな、本名は草木の名前なんだよな。
チビの頃親父に、それがどの木でどの花なのかよく教えてもらったよ。」