花は野にあるように
「暑くない?」


呆れて聞く僕も、下は履き替えるのが面倒で体操服を重ねばきしているんだけどね。


「面倒なんだよ。
更衣室に寄るのもタルいしさ。
帰るだけなら、まぁ、いいやって。」


両手を上げて大袈裟に言いながら、リョクはネクタイを締めにはいる。


あ、僕も急がなきゃ。


慌てて僕も身繕いをして、鞄を持ち、リョクがまとめてくれたゴミの袋を持ち上げた。


「じゃあ、これは捨てちゃうね。」


そう声をかけると、ちょっと花壇の方を向いていたリョクが僕を振り返る。


「んん。
用意できたか?
じゃ、帰ろうか。」
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