花は野にあるように
リョクのその言葉に頷いてから僕はもう1度だけ、手入れしてもらって生き返る事が出来そうな、あの菊を振り返る。


とりあえず、まずは明日の朝だよね。


無事につながりますように、と心の中で祈りながら僕はリョクを見た。


「んん?
心配?
………って、まあ、俺も実際は心配だったりするけどな。
技術は出来る限りの技術を出し切ったつもりだけど、結果は見てみなきゃわかんないからな。
この菊に、いっつも世話してくれているミキの愛情に応えるだけの根性があるかどうかが問題だよな。」


真面目な顔をして、リョクはそんな事を言う。
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