花は野にあるように
「根性………って。
花に求めるには一番違う性質のような気がするよ?」


首を傾げる僕に、リョクは大真面目な表情で反論した。


「違うんだって。
根性だよ、根性。
こいつが恩知らずじゃないんなら、根性見せる筈なんだ。
な、ミキの愛情に恩を感じているんなら、今がそれを見せるチャンスなんだからな。
頑張るんだぜ。」


最後にそう話しかけてから、リョクも荷物を持って立ち上がった。


そうして、帰りかけて。


「どうしたの?」


数歩、歩いただけで立ち止まったリョクの背中に僕は問いかける。
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