花は野にあるように
「どうかしましたか?」


ホームの端とはいえ、なんだか変な雰囲気の僕達の様子をおかしいと感じたんだろう。


駅員さんが駆け寄ってきた。


その時。


いままで黙ったままで顔を引きつらせているだけだったおじさんが、駅員さんに向かって叫ぶように言った。


「こ、こいつらがっ!わ、私の事をチカン扱いしてっ!じ、人権侵害だっ!警察を呼びたまえっ!」


その剣幕と勢いに、僕と駅員さんは少したじろいだ。


だけど、リョクは全く動じる事なく。


「呼ばれて、本当に困るのはどっちか理解してから、発言する頭が欲しいよな。」


力強く言い放った。
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