花は野にあるように
『んん?
んじゃ、家からはまだ出てない?』


ちょっと口調をゆるめて、問われた僕は、目の前にリョクが居るわけでもないのに、コクコクと頷いた。


「うん、まだ家だよ?
出掛ける前にリョクに聞いておきたい事があったから、連絡したんだ。」


『ん。
それは賢明。
今の時間から、デート出来る飲み屋がいい?
それとも泊まりの………?』


「へっ?」


リョクから返ってきたその答えに僕はついていけなくて。


だけど、少し考えて理解できた僕は。


「な、な、な、なんて事を言うのーっっっ!」


思わず電話の向こうへと、そう叫んでいた。
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