花は野にあるように
「………うん。」


僕はあっさりと頷いてしまう。


そんな口調で言うのも反則だよ。


リョクにそんな声で言われちゃったら、僕には頷くしか出来ないんだから。


………ホントにずるいよ。


『俺の為にありがとう。』


少し笑いながら、そんな風に言っちゃうリョクにちょっぴり悔しく思いながらも、僕は見えない電話のこっちで口を尖らすぐらいしか出来ることがない。


『見えないと思って、口を尖らせてんだろうミキにキスされてえの?って言えないのが残念だよな。
ま、いいか。
んじゃ、リーダーの予習終わったら風呂で温まってから寝ろよ。』
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