花は野にあるように
『………まあ、いいか。
ん。
わかった。
けど、何かあったらすぐに電話出来るようにしておけよ?
で、充分に気を付けて来るんだぞ?』


念を押すように繰り返して。


そしてリョクは最後に優しくおやすみって言ってくれて。


僕の初めてのリョクへの電話は、そんな感じに終わった。


まだドキドキしている胸を押さえながら、僕は手の中のケータイに目を落とした。


僕、ホントにリョクに電話しちゃったんだ。


メールしてもいいよ、とも言われたし。


そんな事がすごく嬉しくて眠りにつくまで僕は、ずうっとぽかぽかとした気分でいた。
< 1,096 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop