花は野にあるように

15

昨夜の雨や風が嘘みたいに、綺麗に晴れ上がった高く青い空を見上げながら僕は学校への道を急いでいた。


昨日の大風の所為なんだと思うんだけど、道路の端にはポリバケツのゴミ箱が転んでいたり、なぜだか消火器が落ちていたりしている。


交差点を渡る前にチラリと見えたのは、見間違いじゃなければ一駅向こうのアイスクリームショップの店頭にあった全メニューを載せている看板だったと思う。


あれがなかったら、お店は今日は大変になるかもしれないよね、って思いながらも、僕は学校へ続く緩やかな上り道をひたすら急いで歩いていく。
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