花は野にあるように
体育会系のクラブには所属した事ないから、こんな早い時間の学校へは今まで来た事なかったんだけど。


初めて目にした早朝の校門からみた校舎は、とても綺麗だった。


今までどうして付いているのか解らなかった、校舎に付いている装飾のひとつひとつから伸びた影が校舎の壁の上に伸びて複雑な陰影を描き出している。


これを全部計算して設計したんだとしたら、すっごく天才じゃない?


「リョクなら無駄にチカラ入ってるとか言いそうだけどね。」


いつもは見ていなかった身近な校舎の表情を発見したことに小さい嬉しさを感じながら、僕はそのまま昇降口を通って中庭へと抜ける。
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