花は野にあるように
自分を納得させるように心の中で呟きながら、僕はそうっと道具小屋の方の様子をうかがってみた。


ちょっと見には、とくに昨日までとの違いはわからない。


僕はなんだか妙な緊張感を覚えながら、ゆっくりと一歩一歩足を運んで、背の低いほとんど屋根だけの小屋の前へと進んだ。


なんだかドキドキの音が大きくなったような気もする自分の胸に手を置いて、そっちを見る前に深呼吸して気持ちを落ち着ける。


なんにもないとは思うんだけど、もし何かがあった時にあんまり驚かないで済むように、気持ちの準備もして、と。
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