花は野にあるように
すうっと軽く吸い込んだ朝の爽やかな空気は、なんだか今の僕の緊張した気持ちにはミスマッチな感じだったんだけど。


でも、それを感じる事が出来て、心がほんの少しだけど落ち着いてくる。


うん。


大丈夫。


みっともなく慌てふためいたりしないで居られそうかな。


そう思えた僕は、ゆっくりと伸び上がるようにして、コスモスの花壇越しに道具小屋を覗き込んだ。


屋根の上には、特段変わった事が起こったような様子は見当たらない。


んと。


じゃあ、やっぱりさっきの物音は、中に入れた道具が崩れたのかな?
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