花は野にあるように
小屋自身に何かが起こっている訳じゃない事はわかったけど、まだ中で何かが起こったかもしれなくて。


やな事になっていないといいんだけどなぁ、って思いながら僕はもう少し小屋の方へと歩み寄る。


意外に背が高いコスモスがさえぎっていた視界が、花壇の端に来た事で急に開けて小屋の全貌が一目で把握できるようになって。


様子を確かめようと、こらした僕の目は。


壁のない小屋からにょっきりと伸びている、制服に包まれた長い足に釘付けになっていた。


ど、ど、ど、どうしてっ?


誰、と心配するよりも、何故、ばっかり思いながら僕は急いで駆け寄った。
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