花は野にあるように
リョクはそう言って背中越しに、さっき僕が見つけてビックリしたドラム缶の事を立てた親指で指し示す。


「ま、見れば解るって。」


バチリ、と音がしそうな位にキマるウインクと一緒にリョクはそう言って。


そうして長い足でサッサとドラム缶のそばへと歩み寄った。


その後ろを追い掛けて、僕もスグに隣に並ぶとリョクを見上げた。


「これ………どうしたの?」


こんなドラム缶なんて、一体どこから出現したんだろう。


昨日の帰るときには、ここには姿も形もなかったんだものね。


その答えを知っているのはリョクだけだろうし。
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