花は野にあるように
「んー。
まあ、なんで無事かっていうと、風に吹かれて痛んじまないようにこのドラム缶の中に避難させてあったから、だよな?」


それは見ればわかるんだけど、って事をリョクは言う。


「誰が、避難させてくれたの?」


誤魔化されてしまわないように、僕はリョクを見つめながら尋ねる。


「う。
………ま、あれだよ。
俺………みたいな?」


鼻の頭を掻いて、視線を合わそうとしないままリョクが白状する。


やっぱり、そうなんだ。


「どこから持ってきたの?」


まさか、とは思うけれど、一応は確認しないとね。
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