花は野にあるように
「本物………って?」


ニセモノとか、ホンモノとかって、なんだろう?


「ん?
まぁ………ミキには関係ない話だったよな。
ゴメン、忘れて?」


ちょっと僕の方を振り向いて、リョクはそう言って笑った。


その途端にリョクが転がしていたドラム缶が大きく揺らぐ。


「おっととと。」


慌てたようにドラム缶に向き直って、リョクは勝手な進路を取りかけていたドラム缶のコントロールを取り戻す。


「あっぶね。
うっかり花壇の中に突っ込ませちまうトコだったぜ。
やっべ。
あとちょっとって思って油断したのが悪かったな。」
< 1,141 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop