花は野にあるように
あたたかいリョクの手が、僕の手にじわりと熱を伝えてくれる。


「………リョクの手って、いつだってあったかいよね。」


そう伝えると、見上げた先のリョクの表情がなんだか照れくさそうなものに変わった。


「そっか?」


なんて、ちょっと素っ気なく明後日の方を向いて、言うリョクだけど。


この態度って、僕と手をつなぐ事を照れているからだよね?


自分に都合の良いように解釈する事にして、僕はさっきの話の続きを尋ねた。


「それで、いったいどういう理由があってリョクはココに居た訳なの?」
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