花は野にあるように
「戻った時間だと、まだそんなには遅い時間じゃなかったしな、職員室にもまだ何人か残ってたし。
そこは普通に入って来たんだけどさ、中庭に様子を見に入ったトコあたりで急に雨が来ちまったんだよなあ。
昨夜の雨ってば、結構きつめの降りでさ?
雨に当たるだけでも弱い茎だと折れちまいそうなぐらいの勢いがあったんだよな。」


うん。


僕が、気付いた時にはもうすっごい勢いでふきぶっていたしね。


「だからさ、慌ててあの菊の鉢を校舎の中にでも避難させるつもりで駆け寄ったんだ。
けどな。」


リョクはそこで一旦言葉を切る。
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