花は野にあるように
けど。


なんだったんだろう。


僕はその先の言葉を求めて、つないだ手から続く整った顔を見つめた。


「昨日さ、もう台から落っこちたりしないように、鉢全体を花台にしっかりと固定しちまっただろ?
これでもか、ってぐらいに。
しかもさ、花台の方はミキの体重でしっかり地面にめり込みまくってたしな。
ちょっとやそっとじゃびくともしねぇ。」


ちょっと愚痴っぽく言っているリョクだけど、そう画策したのはリョク自身だったよね?


確か、リョクに騙されるようにして地面に沈み込む椅子に座らされた僕は、昨日の事を思い出してそう思っていた。
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