花は野にあるように
「………それでリョクはどうしたの?」


文句を言いたい場所もあるけど、話の先の方が気になる僕は続きをねだった。


「ホームの中に動かせないなら、ホームの方を持って来なきゃならねぇだろ?
けど、展示の事も考えて高さを出したまま椅子に固定したもんだから、あいつを風雨から守れるホームを簡単には見つけられなくてさ。
とりあえず制服の上着で雨からは守りながら一生懸命考えてなんとか思い出したのが、おっちゃんの使っていたドラム缶だったんだ。」


あの雨のなかで花を守りながら一生懸命に考えてくれた末に思い付いたんだったんだね。
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