花は野にあるように
12
俯いたままでリョクに手を引かれた僕は、さっきのおじさんと向かい合わせになる形で、通された部屋の大きな机を挟むように座った。
「んっと、それじゃ、話を聞いていくね。」
駅員さん……さっき、リョクが藤森さんって呼んでたかな?
その人が、書類みたいなのを広げながら僕達に声を掛ける。
「じゃ、まずあなたから。お名前は?」
藤森さんは書類を埋めるように、おじさんに質問を始めた。
僕の隣では、リョクがいつのまにか手にしていた携帯を手持ち無沙汰な感じに、もてあそんでいる。
それが僕にとって、とても長く感じる事になる事情聴取の始まりだった。
「んっと、それじゃ、話を聞いていくね。」
駅員さん……さっき、リョクが藤森さんって呼んでたかな?
その人が、書類みたいなのを広げながら僕達に声を掛ける。
「じゃ、まずあなたから。お名前は?」
藤森さんは書類を埋めるように、おじさんに質問を始めた。
僕の隣では、リョクがいつのまにか手にしていた携帯を手持ち無沙汰な感じに、もてあそんでいる。
それが僕にとって、とても長く感じる事になる事情聴取の始まりだった。