花は野にあるように
それは確実に失礼な発言だよっ!


だいたい、僕がいくら小さいからって!


「僕の事を女の子と思う人なんているわけないと思うんだけど?」


僕だって、一応はちゃんとした男性なんだしね。


そう思いながら言った僕の言葉に。


リョクはなぜか返事をくれなくて。


そうして、中庭の奥にある木戸を開けて池の方へと続く小径へと進んでしまう。


「………リョク?」


だから僕は黙り込んでしまったリョクの顔を見上げながら、つないでもらっている手に少し力を込めてみた。


すると。


深い溜め息が、上から降ってきてしまった。
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