花は野にあるように
ドキドキする胸の鼓動を知られないように、なるべく普通の声を心がけながら僕がそう答えると、今度は耳のすぐそばで、深い深い溜め息が聞こえた。


「……………あのさ、ミキ?
鏡をじっくり見たことってある?」


え?


どうしてだろう?


「一応、毎朝。」


顔を洗ったらチェックするし。


「んじゃ、めったに生えないヒゲを探してんだろ?
………じゃなくてさ、自分の顔と他人の顔を見てなんか思ったりしないか?
ぶっちゃけ、その辺の女子よりミキの方がよっぽど可愛いんだぞ?
それをキチンと解ってるか?」
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