花は野にあるように
だから、すごいのは監督の小林さんであって。


「きっと、僕じゃなくってもあの通りにすれば武重君だっておんなじ事を出来るよ。
それに………。」


だけど僕の口からは、突然塞いできたリョクの大きな掌に阻まれてしまってそれ以上の言葉は出なかった。


「あのな?
ミキが自分に厳しいのは知ってるけどさ、自分の事をもう少し評価してやってもいいんじゃねぇか?
それにさ、謙遜も行きすぎるとイヤミに聞こえるしな。」


つないでいた手を優しく離して、リョクは僕の顔を包む込むように両手を当てる。
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