花は野にあるように
「ど………して?」


どうして僕は泣いちゃっているんだろう?


自分の反応が自分でわからないよ。


「ん?
自分がどうして泣いたか解らないって顔だな。」


優しい色の瞳が僕の間近で揺れる光を映している。


その光に目を奪われながら、僕は頷いた。


「………わかんないよ。」


その僕の反応に、リョクは大きく微笑んだ。


「そか。
んー。
ミキ、そゆトコもなんか良いよな。」


僕の顔を包むようにしていたリョクの大きな掌が移動して僕の背中に回されて。


そうして僕はギュウッと抱き寄せられた。
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